3畳まなびスペース

3畳の部屋からいろいろ学んだことを発信

古代オリエントの展示が常に観られる『古代オリエント博物館』

2022年6月11日(土)、池袋にある『古代オリエント博物館』に行ってきました。
東京都池袋のサンシャインシティの文化会館にある博物館です。

aom-tokyo.com

 

歴史を学び始めて「できる限り歴史的なモノを観たい」と考えています。
そのため展示関連の情報を得るために「artscape」という全国の美術館・博物館の情報を発信しているサイトを使って情報を集めるようになりました。 
展示について探している時に池袋に『古代オリエント博物館』があることを知りました。
場所がサンシャインシティの近くのため、妻の父の日の贈り物を買いたいという目的もあり一緒に行ってきました。

古代オリエント博物館について

東京都豊島区池袋のサンシャインシティ文化会館ビルにある博物館
1978(昭和53)年10月5日開館
展示スペースは650平方メートル
収蔵品は約5000点およびシリアからの出土品が多数。
西アジア、エジプト地域を中心として、旧石器時代からサーサーン朝時代まで
図書室があり、古代オリエント関係の図書、雑誌約20,000点を収蔵
こどもから大人まで学ぶことができるイベントや講座などを行なっており教育活動にも取り組まれています。


オリエント=メソポタミアと勘違いしていた

展示を観るまで自分の中で「オリエント=メソポタミア」と思っていました。
しかし展示にメソポタミアだけでなく、古代エジプト、古代イランもあったので「おかしい」と思い、改めて調べたところ間違いに気がつきました。
オリエントが「日が昇る」ことを意味するラテン語からきた言葉で、正しくは古代ローマから見て東方世界(シリア、ヨルダン、イラク、イラン、トルコ、エジプト)を指すそうです。
西アジアだけでなく、それ以外の広大な地域を指すということを知りました。
今回展示を観ることで自分の間違った認識を改めることができました。

広大なオリエントをコンパクトに展示

展示スペースは6つに分かれています。
文明ができる前の石器などを展示した「最古のオリエント」。
、文明ができそれぞれの土地の発展を展示する「古代メソポタミア」、「古代エジプト」、「古代イラン」。
アレクサンドロス3世の遠征後、文化が東西の文化が混ざり合った「東西文化の交流」。

他にも古代メソポタミアを紹介した映像がシアターで見ることができたり、大きいタッチパネルを操作して自分で知りたいことが選べる「さわって学ぶ古代オリエント地図」「さわって学ぶ古代オリエントの時代」がありました。

街中にある博物館なので地域ごと、時代ごとの展示がコンパクトにまとめられていました。
今まで観てきた展示は広いスペースを使いかなりの数の展示がされていました。
展示が多いと個人的には情報量が多く、理解が追いつかないことがあります。
展示の数が少ないので、ひとつひとつの展示と説明をじっくり見ることができ、歴史初心者の自分でもちょうど良い情報量と感じました。

特に印象に残った展示

今回特に印象に残った展示は3つありました。
穀物を刈り取る時使用した「鎌」、スタンプのように押してカギの代わりとした「印章」、いろいろな情報を残した「粘土版文章」です。

「鎌」は刃の部分にカミソリ状の石器を取り付けて交換できるようになっていて驚きました。
今の髭剃りの替え刃のように切れ味が悪くなったら交換できるようになっています。
金属の鎌は切れ味が悪くなったら研げば良いのですが、まだ鉄など無い時代には石器の使いかたをいろいろと工夫していたことが実感できました。
他にも収穫物を収納するための土器や、動物に荷物を引かせる車など生産性を上げるためいろいろな工夫を感じることができました。

「印章」は小さなハンコのようなモノでした。

【印章の展示】


倉庫や壺に封をした後に、封をとく場所を粘土で覆い、印章でスタンプを押します。
そうすると粘土が取れていなければ中身は無事だということがわかります。
古代の「カギ」のような役割のものでした。
また印章を持っている人がその補完物の所有者ということも示すことができます。
展示されている印章は彫られている絵柄が細かく凝っていました。
おそらく簡単な絵柄だと偽造されてしまうので、細かくしてコピーを防止したのではないかと思いました。

最後は「粘土版文章」です。
古代メソポタミアで「楔形文字」が作られさましたが、ノートのような大きさの粘土板に書かれたのだと思っていました。
しかし展示をみたところ、かなり小さい粘土板があり驚きました。
あとで購入した書籍「古代オリエントの世界」に載っていた物で一番小さいサイズは2.4センチでした。
その小さい粘土板には食料配給の情報が掘ってありました。
かなりの情報量が手のひらに乗るような小さい粘土板にまとめられていてすごいと思いました。


さいごに

『古代オリエント博物館』、古代オリエントの展示がいつもみることができるというのはとても貴重だと思いました。
今回オリエント=メソポタミアと思っていた自分の間違った認識に展示をみることで気付くという経験ができ良い勉強になりました。

今回観た古代オリエント博物館を観て、以前行った東京国立博物館の東洋館にもエジプトと西アジアの展示があったのを思い出しました。
もしかして展示物の種類が被らないように配慮されているかもしれないと思いました。
また東京国立博物館の東洋館に行って展示の違いを比べてみたいと考えています。

気軽に行ける場所にあり、企画展も定期的にやっているようなので、また行きたいと思います。