3畳まなびスペース

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イスラームについて学ぶその2 「Pen BOOKS イスラムとは何か。」

世界史の大まかな流れを知るために本を読んでいるときにイスラームについて書かれている箇所が頭に入って来ません。
自分にイスラームの知識が無さすぎることが原因だと考えて、イスラームについて学んでみようと、まずはできる限り読みやすい本を読もうと思い図書館で本を借りてきました。
1冊目は『イスラームについて知る1 イスラーム 知の営み』
2冊目は『Pen BOOKS イスラムとは何か。』です。

今回は2冊目『Pen BOOKS イスラムとは何か。』を読んでの感想です。

写真が豊富に掲載されており理解につながった

全157ページの本ですが約190点の写真が掲載されています。
1ページあたり約1.2枚とかなり多い印象を受けました。
写真と一緒にキャプション(写真の説明)も付いており、何についての写真かがわかりやすくなっています。
自分のようなイスラームについてほとんど知識がない人間でも文章と写真を関連付けて読むことができました。
今回、写真と一緒に見ることで具体的に知ることができたことが沢山ありました。
例えば聖地メッカの巡礼です。
ムスリムなら一生に一度メッカへ巡礼する「ハッジ」という義務があります。
掲載されている写真をみると本当にたくさんの人がメッカのハラム・モスクに集まっています。
聖地巡礼という言葉だけ聞いても具体的にどれだけの人が集まるかはわかりません。
今回写真と一緒に見ることでどれだけの人が巡礼をするのか実感することができました。
歴史を学ぶ時に本に書かれている文章だけでなく、写真やモノ、場所など、いろいろな情報を確認して理解することが大切だと感じました。

 

写真を見て感じるイスラームの建築の凄さ

イスラームの代表的なモスクについて紹介されています。
掲載されている写真をみてそれぞれのモスクの規模、建築、装飾など、凄さが素人の自分でも感じることができました。
イスラームでは偶像崇拝が禁止されていて人や動物が描けないため、特に装飾の技術が発達しました。
装飾がモスクにもふんだんに使われており、イスラーム建築の特徴となっています。
特に印象的だったのは、トルコの首都イスタンブールにある「スレイマニェ・モスク」です。
以前Podcast『コテンラジオ』のオスマン帝国のコンスタンティノープル陥落の回で陥落後にキリスト教の教会を改修してモスクにしたというのを聞きました。
聞いただけだったことが写真を見たことで本当に歴史上あったことなのだと実感することができました。
1923年にトルコ共和国が成立した際に、博物館となり隠されていた教会時代のステンドグラスなどが洗い出され、イスラームとキリスト教が融和した姿になっています。

 

現在のムスリムの生活について知る

「現地ムスリムの、知らざれる日常に密着!」というコーナーがあり、サウジアラビア、トルコ、パキスタンという3つの国のムスリムの方の生活が紹介されています。
同じイスラームの教えを元に生活している人でも国によってかなり生活が違うことが見ることができました。
世界にはいろいろな国があります。
国によって人々の生活がそれぞれ違うのは当たり前という認識があります。
しかし自分の中でイスラームについての知識が少ないため「イスラーム=ひとつで同じ」として認識しがちです。
同じイスラームでも「国によって違う」という、当たり前のことを自分の中で再確認できました。

 

日本にもあるモスクの紹介

日本にあるモスクとして東京渋谷区にある「東京ジャーミィ」と兵庫県神戸市にある「神戸ムスリムモスク」が写真付きで紹介されていました。
日本にもモスクがあったとは全く知らなかったので驚きました。
日本にも外国人を中心として数万人のムスリムがいて、大小あわせて60以上のモスクがあるそうです。
「東京ジャーミィ」はトルコ系ムスリムの方が中心になって建築したので伝統的な「オスマン様式」の建築。
「神戸ムスリムモスク」は関西在住のムスリムの方が中心となり建築したので各国のイスラーム建築の要素が織り交ぜられているそうです。
同じ日本のモスクでも様式の違いがあることが興味深いと思いました。

最後に

イスラームについて学ぶ入り口と考えて2冊本を読みました。
2冊で理解できるとはとは考えていませんでしたが、考えていたよりかなり奥深い印象で、本当に入り口の入り口の表面しか触れていない印象を受けました。

「現地ムスリムの、知らざれる日常に密着!」家族を大切に思うところや、子供たちのこれからのことを心配しつつも見守るということなど、自分と信じる宗教は違っても、日々を生きる人間として同じこともあるということに改めて気付かされました。

また普段生活しているとイスラームについてなかなか情報が入ってこないので、自分が触れている情報には「偏りがある」ということも改めて考えさせられました。

これからも歴史を学ぶ上で、少しずつイスラームについて学んでいきたいと思います。