3畳まなびスペース

3畳の部屋からいろいろ学んだことを発信

絵画を理解するための最初の一冊『理由がわかればもっと面白い!西洋絵画の教科書』

歴史を学び始めて、できるだけ歴史的なものを観たいと考えています。

しかし絵画は今までに何度か観る機会があったのですが、今まで興味があるあまり無かったため、自分の中で「わからない」という位置づけになってしまっていました。

先日国立新美術館で行われた『メトロポリタン美術館展』で貴重な絵画を観た時に、少しでも理解できるようになりたいと思いました。
また、歴史を学び始めたのに「絵画が分からない」というのは思考停止なのでは?と考えたこともきっかけとなりました。

西洋絵画についてほとんど知らない自分でも少しでもとっかかりになるような本が無いか図書館で探してみることにしました。

 

西洋絵画について初心者向けの本を探す

まずは地元の図書館に行って絵画について書かれた本のコーナーを探してみました。
絵画についての本が自分がいつも見ている世界史関連の棚より沢山置いてあり驚きました。
本の量を見て絵画の世界もかなり奥が深いのを感じました。
絵画の棚を探してみると初心者向けに書かれた本は数冊ありました。
ひと通りパラパラと見て、今回選んだのは『理由がわかればもっと面白い!西洋絵画の教科書』という本です。

選んだ理由はイラストが使われていて親しみやすかったのと、テーマが見開きでコンパクトにまとめられていて読みやすい印象だったからです。
これから西洋絵画を知るための最初の本として適した本だと思いました。

本の内容

INTRODUCTION 西洋絵画が面白くなる3ステップ
CHAPTER1 超有名作品を読み解く
CHAPTER2 いまさら聞けない西洋絵画の基礎知識
CHAPTER3 ギリシア・ローマ神話・聖書の世界
CHAPTER4 もっと知りたい!印象派の画家たち
CHAPTER5 知っておきたい名画カタログ

 

本の感想

作品と作者の説明が一緒になっていて分かりやすい

CHAPTER1では超有名作品と言われる絵画が紹介されています。
絵画の紹介と絵の見どころ、作者の説明がセットになっています。
最初に紹介されているのはサンドロ・ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』です。
アドビシステムズ社のイラストレーターというソフトのアイコンや起動画面が『ヴィーナスの誕生』だったこともあり、作品についてはなんとなく知っていましたが、作者については全く知りませんでした。
絵画と、見どころ、作者の3つの説明がセットになっていることで頭の中で上手く関連付けされて良いと思いました。

西洋絵画の歴史の流れを大まかに知ることができる

CHAPTER2では時代とともに西洋絵画が辿ってきた歴史ついて説明されています。
年代順にその時代の背景と様式が一連の流れとして乗っていました。

本の中では
古代→中世→ルネサンス→バロック→ロココ→新古典主義→ロマン主義→印象派→象徴主義→後期印象派→20世紀絵画
という流れで説明がされていました。

例えばキリスト教が全盛の中世では宗教画が多く描かれていたのが、ルネサンスを経て段々と時代が流れてくると、題材も幅広くなり、表現や手法も幅広くなってきました。

ただ時代とともに右肩上がりで広がってきたわけではなく、揺り戻しなどもありとても興味深いです。
今まで自分が絵画を観る時はその絵を単品としか観ていませんでした。
絵画にも時代の流れがあることを知ることができました。

道具の発展によって絵画も変わる

道具の発展も絵画の変化を後押したことも面白いと思いました。
特に油絵具が発明されて、細かい表現が可能になったのと同時に、塗り直しや修正がしやくなったので、絵画を描くためのハードルがかなり下がったのではないかと思います。

19世紀に油絵具がチューブ入りになり、外に持って行けるようになったので「印象派」の発展につながったとのことでした。

また写真が発明されたことで「本物そっくりに絵を描くこと」の価値が全体的に低くなってしまったことも、今までそういった視点で考えたことがなかったので面白いと思いました。

本を読んで出てきた問い

本を読むことで新たに出てきた問いもありました。
・超有名作品と名画は何で分かれているのか?
・印象派についてページを割いて説明がされているがなぜなのか?
などの問いが出てきました。
初心者向けの本なのでそこまで掘り下げてしまうと難しくなってしまうため、省かれたのだと思います。
とりあえず、問いについては機会がある時に調べてみようと思います。

 

最後に

『理由がわかればもっと面白い!西洋絵画の教科書』を読んで学んだことは「知識があると西洋絵画はおもしろく観ることができる」ということでした。
今までの自分は絵についての知識が無いため、観た絵画を自分の好みでしか観ることができませんでした。
西洋絵画について、観た絵については知識が無くても、描かれた時代背景や様式などが分かると興味を持って観ることができるのではないかと思いました。
その上で観た絵画について、描かれたテーマ、作者の伝えたいことなどがわかってくると、もっと面白く観ることができると思います。

ただ絵画について初心者向けの本を一冊読んだだけで、理解できたというには程遠いです。
絵画もとても深い世界なので、理解できたつもりにならず、同時に分からないと壁を作らないよう観れるようになりたいと思います。