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ポンペイってどこだろう?というレベルで行く特別展『ポンペイ』

2022年2月11日(金)東京国立博物館で開催されている特別展『ポンペイ』を見に行ってきました。
今まで『ポンペイ』という単語と火山の噴火で滅びたくらいの知識しかありませんでした。
どこの国にあったのか、どんな時代にあったのかは実際の展示を見るまではわかっていませんでした。

pompeii2022.jp

ポンペイとは〜簡単な説明

紀元前7世紀頃からイタリア南部にあった都市で、現在のイタリアの都市ナポリの南東にありました。
ヴェスヴィオ山の火山灰からなる肥沃な土地と交通の要衝ということで栄えたそうです。
紀元79年にヴェスヴィオ山が噴火してその被害を受けて滅びてしまいました。
1709年に井戸を掘っていた農夫が大理石の円柱を発見したことがきっかけとなり、古代都市の存在が発見されました。
1997年に世界遺産文化遺産として登録されています。

 

ポンペイ展を見に行こうと思ったきっかけ

最初は見に行こうと考えてはいませんでした。
考えが変わったのは、同じ東京国立博物館で開催されていた『イスラーム王朝とムスリムの世界』に先日行ったことがきっかけです。
イスラーム文化の歴史的な展示物を見た後に、世界の歴史的な展示物をもっと見たいと思いました。
国内にあるいろいろな博物館、美術館を調べたのですが、日本に海外の貴重なものは多くありませんでした。
確かに海外の貴重なものが日本にあったらおかしいと思いました。
海外の歴史的な展示を日本国内で見れる機会はなかなか無いと理解できたからです。

 

チケットの事前購入が常設展と違い手間取った

チケットは当日購入も可能ですが、コロナで入場人数が制限されているため事前予約が確実です。
先日、東京国立博物館の常設展のチケットを携帯から予約したときにApplePayで支払うことができて簡単に購入できたので今回も同じと考えていました。
しかし今回は常設展ではなく『特別展』のためか支払い方法がApplePayでできませんでした。
クレジットで支払うことにしたのですが、今回もApplePayで購入できると思い電車の中で購入をしていました。
そのためクレジットカードを財布から取り出すことができず、降りる駅まで待たなければいけませんでした。
降りる駅に到着し電車から降りてクレジットカードを出し、カード番号を入力してやっとチケットを購入することができました。

いざポンペイ展へ〜入場まで〜

当日朝に電車で上野へ行きました。
前日から雪が降ったため行くことができるか心配だったのですが、それほど積もらなかったため問題なく上野に到着しました。
9時20分頃、東京国立博物館についたのですがもう行列ができていました。
ポンペイ』の人気を感じることができました。
9時30分に開門して順番にチケットを見せて博物館に入場しました。

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雪が積もった東京国立博物館も珍しいと思い正面から撮影しました。

ポンペイ展の開催場所は正門から左手奥にある平成館です。
平成館へ行き、もう一度チケットを見せて館内に入場となります。
コロナのため滞在時間が90分と書いてありました。9時30から入場したので11時ごろまで滞在できます。
入場時間を細かく確認をされなかったのでおそらく目安の時間だと思います。
厳密に入場時間を管理されていたら、9時30分から開門して平成館に着くまでに10〜15分かかっています。朝一番に来たのが損した気分となってしまいます。
沢山いたお客の中には小さいお子さんと一緒に来ている方もいて、微笑ましくなりました。

 

ポンペイ展を見た感想

人気が高い展示のためか人が多い印象でした。
コロナ対策のため時間帯による予約入場になっているため、展示が見えなくなるほどの混雑はありませんでした。
どの展示品も比較的ゆったりと展示を見ることができました。
想像していたよりさまざまな種類の展示があり驚きました。
大理石の像や青銅の像、フレスコやモザイクの絵などの美術品。食器や壺などの日用品、仕事で使った道具。当時の信仰のために作成されたものや炭化した食物もありました。
当時の人々の生活を知るためのヒントになりそうなものが本当にたくさんありました。

展示の中で特に印象に残った展示を3つあげます。

女性犠牲者の石膏像

入り口に近いところにありました。
ポンペイの遺跡発掘時に空洞をみつけることがあるそうです。
その空洞は食べものや木または人間など有機物が長い年月を経て分解されて空洞が残されるそうです。
その空洞に石膏を流し込むと、そこにあったもののカタチが写し取れます。
その技法を使って、カタチを取られた女性の被害者の石膏像でした。
女性といってもとても小柄で、自分の中学2年生の長女くらいの背丈でした。
少女だったのか小柄な成人女性かはわかりませんが、人のカタチとして残っているのを見るのは相当の衝撃を受けました。
当時の被害を想像して悲しい気持ちになってしまいました。

炭化したパン

なんと炭になった当時のパンが展示されていました。
他にも炭化した機微、イチジク、干しブドウがありました。
他の展示物で「パン屋の店先」というフレスコ画があったのですが、そこに描かれているパンが炭化したパンのカタチそのものでした。
炭化したパンと絵の組み合わせで、当時そのパンが食べられていたこと、絵が人々の生活を描いたものということがわかります。
このような食べ物の発掘物が他の遺跡からも出土されているのか気になりました。

賃貸広告文

壁に描かれた賃貸の広告とのことでした。当時、賃貸業があったことに驚きました。
もうひとつ印象に残った理由は約2000年前の文字が実際に見ることができたことです。広告はアルファベットで書かれていました。
とてもきれいに書かれており、壁に広告を描くプロがいて頼んだのかな?と思いました。
文字自体は今使われているアルファベットとほとんど違いがなく、一つ一つの文字が認識できることに驚きました。

他にも気になった展示が沢山ありましたが、特に印象に残ったのがこの3点です。

アレクサンドロス大王のモザイクの衝撃

展示の中にアレクサンドロス大王のモザイクがありました。
現在修復中ということで現物は日本には来ていませんでした。
高精細プリントされて床に貼られたものが見ることができました。
それと修復の様子をうつした映像が見ることができます。
よく教科書に載っているアレクサンドロス大王の顔があって驚きました。
教科書などでみるアレクサンドロス大王の顔がポンペイの出土品とは全く知りませんでした。
モザイクという石を砕いて組み合わせて描いていく技法もこの展示で初めて知りました。

最後に〜特別展『ポンペイ』へ行ってよかった

展示品の種類の多さには本当に驚きました。
当時使われていたものを見ると、2000年前のものとは思えないほど高度で洗練されたものもあります。
今回も展示を見ながら一品一品の感想を携帯でDynalistに入力しました。
写真撮影も自由ということで撮影している方が沢山いました。
図録に作品が載っているのですが図録に載っていないアングルもあります。
そのため自分も撮影したかったのですが、感想を入力するのが手一杯で撮影するまでの余力はありませんでした。
のちほど図録を見ながら感想をまとめて行こうと思います。


ポンペイはまだ発掘調査中と今回の展示で初めて知りました。
更なる発見があるかもしれません。

今回展示を見にいって本当によかったです。いろいろな発見や疑問に出会うことができました。

最初考えていた通り「展示を見に行かない」という選択をしていたら全く無かったことになってしまうことになってしまいました。

また海外の歴史的な展示が日本に来るのは大変貴重な機会です。
次も海外の歴史物の展示があったら、選り好みせず見に行こうと改めて思いました。