この本との出会ったのは12年前でした。
その頃は営業になったばかり。慣れない仕事でが忙しかった時でした。なかなか家族との時間が取れず、子供がまだ幼く子供の世話で忙しい妻と喧嘩が絶えませんでした。
会社でのミーティングで「妻との喧嘩が絶えなくて。。」会社の人に話したらこの本を勧められました。すがる思いでこの本を読んでみたら本当に妻とのケンカが減りました。
この本を読むまでは、ケンカしてしまうのは人の所為だと思っていました。しかし実は自分のせいだと気がつくきっかけとなった本です。内容も会話形式でストーリーになっているので、順番に読んでいけば内容が頭に入ってくるので取っつきやすいです。
箱に入るとは?
本書では箱に入っていることを自己欺瞞と言っています。
自己欺瞞の意味を調べてみると
自分で自分の心をあざむくこと。自分の良心や本心に反しているのを知りながら、それを自分に対して無理に正当化すること。自欺 (じき) 。
とあります。
自分で自分の心をあざむくこと。
どういうことかというと、本に書かれている例では、夫婦で寝ている時に子供が泣いているのに気が付きます。「子供が泣いてるから対応をしなくては」と思ったけどそのまま無視してしまいます。
その後の考えの変化が横で寝ている奥さんのことを「寝たふりをしているんじゃないか?」「子供が泣いているのに無視して、酷いヤツだと」考えるようになります。
「しなくては」と思ったけど理由をつけて辞めることは沢山あると思います。
しかし、自分の本当の気持ちに逆らった時にそれを正当化するために相手を悪く思うようになります。
そして怖いのはその状態が一時的ではなく、習慣となってしまいずっと続いてしまうことです。
箱に入っている状態でなんとかしようとしても無駄
いがみ合う関係に嫌気がさして関係を修復するために優しく言葉をかけたが受け入れてもらえなかった経験はないでしょうか?自分はあります。箱に入ったままだと無理と書かれています。
一番の理由は
人間は、相手が自分のことをどう感じているか察知して、それに対して反応する
箱に入った状態では自分を正当化するために人を対等と考えていません。その気持ちを相手は敏感に察します。心ない言葉を言われても嬉しくありません。逆効果です。
もう一つの理由は
箱に入っていると相手も箱に入れてしまう。箱は感染します。
箱に入ったままだと相手も箱に入れてしまいます。そうなるとお互いに見る目が歪んでしまい、自身を正当化するために相手を貶めることになります。それが延々と続きます。
関係を改善したいと思ったらまず箱から出ないといけません。
箱から出る方法とは?
箱から出る方法とも書かれています。
自分の考えは間違っているのでは?と疑うこと相手をモノではなく人として思うこと
なんだ簡単なことだと思いますが難しいです。箱に入り現実を歪んで見る状態が続くと、それが当たり前になってしまいます。
当たり前の状態を間違いだと思えることが難しいです。実際自分はこの本を読むまで妻や子供に対する考えが間違っているとは思いませんでした。
最後に
この本に出会えて妻とのケンカが減りました。今でもたまにケンカしますが、まあまあ仲良く過ごせていると思います。ただ「箱」は気がつけばすぐに出ることができますが、反対に油断すると「箱」にすぐ入ってしまいます。今でも意識して「箱」に入らないよう気をつけています。
人間関係がうまくいかないときにおすすめの本です。人間関係に悩みだす中学生くらいに出会いたかった本です。