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【読書感想】任天堂四代目社長『岩田さん 岩田さんはこんなことを話していた』

任天堂株式会社、四代目社長の岩田聡さん。
その岩田さんが『ほぼ日刊イトイ新聞』、任天堂社長が訊く』で語った言葉を選別して一冊の本にまとめた本です。

【目次】

 

岩田聡さんとは

任天堂株式会社、四代目社長。
2002年から2015年まで社長をつとめたが、病気のため在任のまま逝去。
大学在学中に設立されたHAL研究所にとして誘われアルバイトとして活動し、卒業後同社に就職。
同社にプログラマーとして参加し開発を行う。
任天堂ファミリーコンピューターを発売後はソフトの開発に携わり、「ピンボール」や「ゴルフ」などを開発。
バブル崩壊の余波のためHAL研究所が経営難に陥ったのがきっかけとなり、1992年、同社社長に就任。経営の再建に取り組みながらソフトの開発に注力する。
2002年に任天堂株式会社社長に就任。創業家以外の社長ということで当時話題になる。
任天堂社長としてはニンテンドーDSWiiの2大ヒット商品を世に送り出し、同社を大きく成長させたことで知られる。
プログラマーとしては開発中止寸前となっていた「MOTHER2」のプログラムを作り直し1年で発売まで漕ぎ着けたという逸話がある。
MOTHER2の件で糸井重里さんと懇意になり「ほぼ日刊イトイ新聞」の立ち上げにも参加している。

ほぼ日刊イトイ新聞で知った岩田さん

自分が岩田聡さんを知ったのは『ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)』でした。当時ほぼ日を見るのが趣味だった自分はゲーマーでもあるので任天堂社長である岩田さんの記事は毎回チェックしたり、過去の対談の記事を見ていました。その流れもあり任天堂社長が訊く』も拝見していました。
ほぼ日刊イトイ新聞』では、当時ゲーム会社の社長の言葉というのはなかなか世に出ていないので貴重だと思って読んでいました。
任天堂社長が訊く』もゲームの開発者の方々を呼んでそのゲームについて社長自らが訊くという斬新な企画でゲーム好きの自分としてはとても楽しく、また興味深く読んでいました。
岩田さんの言葉は任天堂社長としての言葉、プログラマーとしての言葉が混じり合ってすごく興味深く、自分もいろいろな気づきを与えてもらいました。
また本当に素晴らしい方が世の中にいて、そんな方が任天堂の社長をしているというのはゲームファンとしてとてもうれしく、すごく心強く思ったことを覚えています。

さまざまな視座の言葉が特徴

この本の特徴は岩田聡さんがさまざまな役職を経験しているからこその、さまざまなポジションからの言葉が掲載されてます。
プログラマーだった時の言葉、開発部長だった時の言葉、経営危機に陥ったHAL研究所の社長になった時の言葉、任天堂の社長時代のことばなど、普段の人ではなかなか見ることができない視点から物事を見ています。
そして岩田さん自身がかなり分析をするタイプで、いろいろな立場からの分析がとてもリアルで思いもつかなかった切り口のものも多く言葉として残っています。
そのため大会社の社長の本のように全然共感できないということはありません。なにかしら心に残る言葉があります。自分も影響を受けたことばが沢山ありました。
今回一冊にまとまった本を読んで感じたのは選ばれている言葉がすばらしくまさに岩田聡さんのことばの集大成。一度出会ったはずの言葉なのですが違う印象に感じて新たに学ぶことがありました。

みんながハッピーであることに取り組んだ人

本の中で糸井重里さんが岩田聡さんのことを「みんながハッピーであることを実現したい人」と語っています。そのハッピーの中には自分、仲間、お客さんが含まれています。
昔からの格言である「三方良し」と似たところがあります。
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。岩田さんのハッピーもそのような感じがします。
自分も社会人として働いてもう少しで20年経ちますが、自分のことばかりで、なかなか人のこと、お客のことまで考えれないことが沢山あります。岩田聡さんはその類稀な力量でハッピーを増やし続けたのだと思います。

岩田聡さんの存在をいつか子供たちにも知ってほしい

ほぼ日、社長が訊くで原文を読んだのでこの本が発売していたことは知っていたのですが、特に必要ないと思い購入していませんでした。
しかし、最近子供たちがゲーム『Pokémon LEGENDS アルセウス』をプレイしはじめたのを見て考えたが変わりました。
ウチの家族が全員ゲーマーなので、家族でマリオを楽しんだり、子供たちとゼルダの伝説をお互いプレイして一喜一憂したり任天堂にはとてもお世話になっています。
今の任天堂という会社には確実に岩田さんが取り組んできたものが受け継がれていると感じます。
子供たちも日頃からたくさんの想いを受け取っていると感じます。
いつかその礎を築いた岩田聡さんのことを知ってもらいたいと思い、この本を購入しました。