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3畳の部屋からいろいろ学んだことを発信

高校世界史教科書への挑戦

ここ1ヶ月くらい山川出版社の『詳説世界史B』を読むことに挑戦していました。

6月5日から読み始めて7月2日に読み終わりました!
教科書1冊を読み切ることができるのか、自分にとっては挑戦でした。
なんとか読み終わったことに達成感というより「ほっとした」というのが正直なところです。

文字を追っていくことにかなり集中したので、内容を理解できてないところが沢山あります。
内容を理解することについては2周目に読み方を考えて改めて挑戦したいと思っています。

『詳説世界史』を読もうと思ったきっかけ

きっかけは図書館で借りた『市民のための世界史』でした。

ネットで歴史勉強におすすめされていたので、
地元の図書館で借りて読んでみました。
本の最初に「大学の新入生向け」と書かれていたので、実際に読んでみると今まで読んできた世界史の通史の本とは違い、歴史の細かい箇所の説明は省かれていました。
そのため高校で習う世界史が頭の中に入っている方向けの本だということが分かりました。

『市民のための世界史』をいつか読むために高校世界史の教科書に対する理解が必要と思い、『詳説世界史』を読むことにしました。

歴史の教科書的なものを避けていた

今までは意図的に教科書のような本は避けていました。
自分が歴史の勉強を始めようと思ったきっかけは「情報の歴史21」という本です。

この本は「世界同時年表」ということで先史時代から現代までの情報に関する項目が年表として載っています。

この本を読めば歴史に詳しくなれると思い、読んでみましたが素人考えでした。
情報量が多過ぎて、処理が追いつかず最初の章で挫折してしまいました。
今まで歴史を学んでこなかった自分では年表の項目が「情報の羅列」としか認識することができなってしまいました。
この挫折で自分の中では「考えなしで歴史を学ぶこと」はダメだとわかりました。
そのため歴史を学ぶためにまずは「歴史を馴染ませよう」と思い、前に勉強方法を考えてみました。

www.deramegane.com

『詳説世界史』を読むのを助けてくれたコト

情報量の多い本に挫折した自分が教科書を読み終わることができるか不安だったので、対策をすることにしました。

ラーニングログをつける

『詳説世界史』を読むために「ラーニングログ」というものを作りました。
本の目次の項目とページ数をエクセルで表にすることで自分が読んだ箇所をチェックできるものです。

ラーニングログは『独学大全』という本を参考にしました。
勉強をするためのいろいろな技法が載っていて、参考にすることが多いです。

ラーニングログが良かったのは自分が読み終わったページが一目でわかることです。
読んだページをマーキングしていくことで、着実に進んでいることが分かりモチベーションの継続につながりました。
また読み終わったところは記録しているので、今回読み終えられなくても、将来また読もうと考えたとき、ここまでは読んだというメモになってくれれば良いと考えました。

 

できるだけ決まった時間に読む

読むことを生活習慣に組み込んで、継続しやすくすることを考えました。
今回は「夜お風呂から上がって寝る前に読む」と決めました。
同時に余裕がある時は他の時間も読んでよいこと、どうしても読めない時は読まないことも決めました。
ガチガチにルールを決めることは避けたいと思いました。

実際に試してみて、読む時間を決めたことは考えていたよりも効果的でした。
時間を決めたことで1日少しづつですが読み進めることができました。
また、その時間は「詳説世界史」を読むという優先順位が自分のなかで生まれ、他の本を読んだり、ゲームをやってしまうという横やりを防ぐことにつながりました。

 

歴史を馴染ませたことが支えてくれた

『詳説世界史』を読んでいて、ところどころ「他の本で読んだ」や「Podcastで聞いた」というところがありました。
2月から毎日なんらかの歴史のコンテンツに触れるようにしてきました。
いろいろなコンテンツに触れたことでうっすら断片的に歴史の知識が蓄積されているのだと思います。
「他の媒体で触れたことがある」というのは『詳説世界史』を読んでいく中で、知らないことばかりではないと感じて支えになりました。

最後に

高校の世界史の教科書である『詳説世界史』をなんとか読み終わることができてひと安心です。
ただ内容を理解できたとは言い難いので、理解できるように読んでいくためにはどうするかを考えようと思います。

読んでいく中で思ったことがいくつかありました。

・教科書は世界史の要約で、授業や資料などで要約を展開していっている?
・授業って本来はとっても重要かもしれない?
・日本の歴史教科書は表現などニュースになるが、海外の世界史はどう語られているのか?

など、いろいろ思うことがありました。
また2周目に挑戦したいと思います。


古代オリエントの展示が常に観られる『古代オリエント博物館』

2022年6月11日(土)、池袋にある『古代オリエント博物館』に行ってきました。
東京都池袋のサンシャインシティの文化会館にある博物館です。

aom-tokyo.com

 

歴史を学び始めて「できる限り歴史的なモノを観たい」と考えています。
そのため展示関連の情報を得るために「artscape」という全国の美術館・博物館の情報を発信しているサイトを使って情報を集めるようになりました。 
展示について探している時に池袋に『古代オリエント博物館』があることを知りました。
場所がサンシャインシティの近くのため、妻の父の日の贈り物を買いたいという目的もあり一緒に行ってきました。

古代オリエント博物館について

東京都豊島区池袋のサンシャインシティ文化会館ビルにある博物館
1978(昭和53)年10月5日開館
展示スペースは650平方メートル
収蔵品は約5000点およびシリアからの出土品が多数。
西アジア、エジプト地域を中心として、旧石器時代からサーサーン朝時代まで
図書室があり、古代オリエント関係の図書、雑誌約20,000点を収蔵
こどもから大人まで学ぶことができるイベントや講座などを行なっており教育活動にも取り組まれています。


オリエント=メソポタミアと勘違いしていた

展示を観るまで自分の中で「オリエント=メソポタミア」と思っていました。
しかし展示にメソポタミアだけでなく、古代エジプト、古代イランもあったので「おかしい」と思い、改めて調べたところ間違いに気がつきました。
オリエントが「日が昇る」ことを意味するラテン語からきた言葉で、正しくは古代ローマから見て東方世界(シリア、ヨルダン、イラク、イラン、トルコ、エジプト)を指すそうです。
西アジアだけでなく、それ以外の広大な地域を指すということを知りました。
今回展示を観ることで自分の間違った認識を改めることができました。

広大なオリエントをコンパクトに展示

展示スペースは6つに分かれています。
文明ができる前の石器などを展示した「最古のオリエント」。
、文明ができそれぞれの土地の発展を展示する「古代メソポタミア」、「古代エジプト」、「古代イラン」。
アレクサンドロス3世の遠征後、文化が東西の文化が混ざり合った「東西文化の交流」。

他にも古代メソポタミアを紹介した映像がシアターで見ることができたり、大きいタッチパネルを操作して自分で知りたいことが選べる「さわって学ぶ古代オリエント地図」「さわって学ぶ古代オリエントの時代」がありました。

街中にある博物館なので地域ごと、時代ごとの展示がコンパクトにまとめられていました。
今まで観てきた展示は広いスペースを使いかなりの数の展示がされていました。
展示が多いと個人的には情報量が多く、理解が追いつかないことがあります。
展示の数が少ないので、ひとつひとつの展示と説明をじっくり見ることができ、歴史初心者の自分でもちょうど良い情報量と感じました。

特に印象に残った展示

今回特に印象に残った展示は3つありました。
穀物を刈り取る時使用した「鎌」、スタンプのように押してカギの代わりとした「印章」、いろいろな情報を残した「粘土版文章」です。

「鎌」は刃の部分にカミソリ状の石器を取り付けて交換できるようになっていて驚きました。
今の髭剃りの替え刃のように切れ味が悪くなったら交換できるようになっています。
金属の鎌は切れ味が悪くなったら研げば良いのですが、まだ鉄など無い時代には石器の使いかたをいろいろと工夫していたことが実感できました。
他にも収穫物を収納するための土器や、動物に荷物を引かせる車など生産性を上げるためいろいろな工夫を感じることができました。

「印章」は小さなハンコのようなモノでした。

【印章の展示】


倉庫や壺に封をした後に、封をとく場所を粘土で覆い、印章でスタンプを押します。
そうすると粘土が取れていなければ中身は無事だということがわかります。
古代の「カギ」のような役割のものでした。
また印章を持っている人がその補完物の所有者ということも示すことができます。
展示されている印章は彫られている絵柄が細かく凝っていました。
おそらく簡単な絵柄だと偽造されてしまうので、細かくしてコピーを防止したのではないかと思いました。

最後は「粘土版文章」です。
古代メソポタミアで「楔形文字」が作られさましたが、ノートのような大きさの粘土板に書かれたのだと思っていました。
しかし展示をみたところ、かなり小さい粘土板があり驚きました。
あとで購入した書籍「古代オリエントの世界」に載っていた物で一番小さいサイズは2.4センチでした。
その小さい粘土板には食料配給の情報が掘ってありました。
かなりの情報量が手のひらに乗るような小さい粘土板にまとめられていてすごいと思いました。


さいごに

『古代オリエント博物館』、古代オリエントの展示がいつもみることができるというのはとても貴重だと思いました。
今回オリエント=メソポタミアと思っていた自分の間違った認識に展示をみることで気付くという経験ができ良い勉強になりました。

今回観た古代オリエント博物館を観て、以前行った東京国立博物館の東洋館にもエジプトと西アジアの展示があったのを思い出しました。
もしかして展示物の種類が被らないように配慮されているかもしれないと思いました。
また東京国立博物館の東洋館に行って展示の違いを比べてみたいと考えています。

気軽に行ける場所にあり、企画展も定期的にやっているようなので、また行きたいと思います。

 

歴史を理解するのに地図の知識も必要『地図でスッと頭に入る世界史』

歴史を学び始めて図書館だけでなく、本屋の歴史コーナーに立ち寄ってどんな本が置いてあるか見るようになりました。
いろいろな切り口の歴史の本がならんでいて「そういう切り口があったのか!」と驚くことも沢山あります。
本屋で歴史コーナーを見ていて、地図をメインとした切り口の本があることを知りました。
一度読んでみたいと思い、いちばんやさしそうな『地図でスッと頭に入る世界史』を選びました。

 

本を読んで学んだこと

地図を理解するのに地図の知識が必要

本のキャッチコピーは「要点3つ+図解で脳裏に焼きつく!」です。
一つの項目に、図解として地図とポイントが3つ、簡単な解説が載っています。
解説はわかりやすく歴史初心者の自分でもすらすら読むことができる内容でした。
しかし肝心の地図について理解できていないことに気がつきました。

今まで読んだ歴史の本は、文章が主体で図が補助として入っているものがほとんどでした。
『地図でスッと頭に入る世界史』は地図が主体のため、地図をよくみることになります。
地図を見て説明を読みとこうと思った時に理解できず、「自分の中に載っている地図に対応する地図の知識がない」ことに気がつきました。
歴史を勉強していると理解するためにはいろいろな知識が必要だと感じています。
今回改めて歴史を理解するために地図の知識が必要なことがわかりました。
地図の知識がない自分でもなんとか内容を理解したいと思い、世界地図を見ながら本を読むことを思いつきました。

資料を読みながら本を読む大切さ

今回2種類の世界地図を用意しました。
1つめは『新版 下敷き(世界)』です。

新版 下敷き (世界)

新版 下敷き (世界)

  • 東京カートグラフィック
Amazon

下敷きにしたのはできるだけコンパクトなものにして、本を読みながらさっと取り出して見れるよう考えたからです。
実際に本を読んだ時に下敷きを取り出して、現在のどのあたりかを確認しながら読み進んでいました。
使いやすいのですが欠点がありました。
コンパクトなため地図の方に国名が入っておらず、代わりに番号が振ってあります。
裏面に国名と国家と番号が入っていて、表面の地図の番号と対応する国を探さないといけないため国名がわかるのに探さなければならず少し手間でした。

2つめは『ほぼ日のアースボール』です。
小さい地球儀で国名など何も入っていません。
スマートフォンのアプリと連動することで国名が確認できるのはもちろん、世界中の雨、気温、雲の様子など今の地球が見ることができる多機能な地球儀です。

機能の他にも世界地図を球体で確認するのも大事と思い購入しました。
実際にほぼ日のアースボールで地図を確認しながら読んでいくと、球体ということで今までにない感覚になりました。
他にも調べた国で他にもいろいろな情報を見ることができて楽しめました。

欠点は予想通り、アプリを起動する必要があるためすぐ地図が確認できないというところがありました。

すぐに取り出せる下敷きと、じっくり他の情報をみることができるアースボールを使い分けながら読みました。
自分に不足している知識を資料として参照しながら本を読む大切さを知りました。

地図という表現で今までと違う視点で見れた

今回地図の資料をみることで今までにない視点で見ることができました。
一番印象に残ったのはアメリカ南北戦争と第二次世界大戦後の冷戦の説明です。
南北戦争はどの州が北軍と南軍に分かれて戦ったのか地図で色分けして載っていました。
南北戦争は歴史の本で出てきましたが、今までどの州が戦ったという説明に出会ったことがありませんでした。
具体的な州が分かったことで南北戦争について新たな見方が加わりました。
もう一つは・東西冷戦の説明です。
東西冷戦時にどの国が東と西側の陣営に分かれたのか地図に色分けして載っています。
今まで冷戦と聞いて漠然と二つの陣営に分かれたとしか認識していませんでした。
しかし具体的にどの国が東西どの陣営になったか確認することができました。

歴史のまとめ方の参考になった

『地図でスッと頭に入る世界史』というタイトルから、頭に入ることを期待しましたが、地図の知識が無かったため残念ながら頭に入りませんでした。
ただこの本の「要点3つ+図解で脳裏に焼きつく!」というまとめ方は読みやすいと思いました。
今はまだ歴史に馴染むために本を読むだけでまとめなどしていません。
自分で歴史を理解しようとした時に自分で歴史をまとめ直す必要があると感じています。
しかしどうまとめて良いのか良い考えがあまり無かったのですが、今回ような方法が自分で歴史をまとめる時に参考になると思いました。
自分で歴史をまとめる時に試してみたいと思います。

最後に

地図もいろいろな表現があり、文章ではわかりづらいことが理解しやすくなることを知ったので、いろいろな視点や資料で歴史を学ぶことが大切だと改めて思いました。
また地図による説明を理解するために自分に地図の知識が必要ということわかり自分の知識のなさとそれを補うために資料を用意する大切さを知りました。

今後歴史の本を読んでいく時に活かしていきたいです。

歴史的な建物が展示されている『博物館明治村』で謎解き

ゴールデンウィークに岐阜に帰省した際に、姉夫婦から誘われて、愛知県犬山市にある『博物館明治村』に行ってきました。

www.meijimura.com


『博物館明治村は』明治時代の建物をはじめ、大正、昭和初期までの歴史的な建築物が見ることができる場所です。
今回、『江戸川乱歩の不完全な事件帖』という江戸川乱歩の小説のタイトルをもとにした謎解きアトラクションがやっているということで行ってきました。
明治村まで実家から車で30分程度。
その手軽さから小学生や中学生の社会見学など利用されており、自分も学生のころに何度か明治村に行ったことがありました。
その時は「昔の建物がある」以上の感想を持ったことはありませんでした。
歴史の勉強をし始めたことで、昔の建物を見ることができる貴重さを実感しました。

博物館明治村について

博物館明治村について簡単にご紹介。
・開村 昭和40年(1965年)
・所在地 愛知県犬山市
・面積 約100万平方メートル
・施設数 67件

時代の流れとともに失われていく明治建築を保存展示する目的で「財団法人明治村」が昭和37年に発足、3年後の昭和40年に野外博物館明治村として開村。
開村当初は建物や電車などの施設、15件からスタート。
日本中の解体されていく建造物の中から価値あるものを選び移築復元を行っていき、現在は施設が67件、、敷地面積も開村時から約2倍になりました。
時代は明治だけでなく大正から昭和初期のものまで展示されています。
日本からの移築だけでなくシアトル、ハワイ、ブラジルの日本人居住地の建物も移築されています。

 

江戸川乱歩の小説を元にした謎解きアトラクション

今回は謎解きアトラクション『江戸川乱歩の不完全な事件帖』をやってきました。

www.meijimura.com

江戸川乱歩は明治生まれで昭和初期にかけて作品を発表されていたので、明治村の展示と時代がリンクするところがあり、良い組み合わせだと思いました。

謎解きは一つだけでなく00、01、02、03と4種類の難易度から選ぶことができます。
一番簡単な00は小学生向けで子供でも楽しめるようになっています。
今回は00から02の3つの謎解きに挑戦しました。実際に最低難易度の00は小学2年生の次男も楽しんでやっていました。
01、02はやってみると簡単ではなく、程よい難易度で大人も楽しめるアトラクションでした。特に最後にやった02は謎解きが分からず子供と大人で知恵を出し合う場面もありました。
5月14日から更に上の難易度の、04と05が追加されるとのことです。
もうクリアしてしまった人、謎解きが好きで歯ごたえがある謎解きがやりたい方も楽しめそうです。

初めて当時の建物が残されている貴重さを実感

歴史を勉強しはじめて今でも歴史的なものを見ることができる貴重さを知りました。

歴史を勉強しはじめて明治村に行くことで、明治からの歴史的な建物を見ることができる貴重な場所だと改めて思うことができました。
歴史を勉強し始めて始めて知ったのですが、建物には沢山の情報が詰まっています。
当時の技術や生活、流行などを建物を通して知ることができます。
今回初めて明治村のホームページを詳しくみたのですが、そこに書かれていた、

「不平等条約の改正」という明治政府発足以来の課題を解決するには、西洋諸国に引けを取らない美しさを持つ西洋建築群を、自らの手で創出することが必須と考えられたためです。

という記述は、今までそういった視点で明治村の建築を見たことがなかった自分にとって新しい視点で、これだけでも行った価値がありました。

 

最後に

『博物館明治村』身近で何度も行きましたが今までは特別興味の湧く場所ではありませんでした。
歴史を勉強し始めてその貴重さに気がつくことができて本当によかったです。
また謎解きアトラクションが追加されたことで幅広い人が楽しめる場所になったと感じました。
連れて行った子供も3人も大満足でした。

今回謎解きに集中しすぎてほとんど建物を見ることができなかったので、また行く機会を作ってじっくり建物を見たいと思います。

『アホウドリの糞でできた国 ナウル共和国物語』を自分なりに読む

『アホウドリの糞でできた国 ナウル共和国物語』を読みました。
ツイッターで歴史関連の本として紹介されていたのを拝見して、歴史について書かれているとは思えないタイトルで、歴史がどのように書かれているか気になり読んでみることにしました。
全163ページで本編は118ページその後の後日談の座談会が45ページで、文章もぎっしり文章がありません。
30分くらいで読み終わることが出来ました。
ツイッターで歴史の本として紹介されていなかったら、「そんな島があるんだな」という淡白な感想で終わっていたと思います。
あっさり終わりすぎて、「なぜこれが歴史関連の本として取り上げられたか分からない」という思いでした。
何度も読み返して自分なりに歴史として捉えてみることにしました。

ナウル共和国について

島の位置 太平洋南西部(ミクロネシアの南西)
・人口 約1.3万人
・面積 22平方キロメートル(東京都品川区とほぼ同じ面積)
・通貨 オーストラリアドル
・1968年に共和国として独立

ナウル島は元々アホウドリの糞とサンゴ礁の死骸が溜まって長い年月をかけてできた島です。
そうやって出来た島に今のナウル人の先祖が船でやって来ました。
1888年にドイツ領となり燐鉱石が発見されたため採掘が始まりました。
第一次世界大戦の時にオーストラリア軍に占領されオーストラリア、ニュージーランド、英国の3国による統治となります。
第二次世界大戦では日本軍が占領して島民を強制移送しました。
その後再び、オーストラリア、ニュージーランド、英国の3国による統治となり、
1968年にナウル共和国として独立しました。

燐鉱石は化学肥料の燃料になるため、植民地時代から採掘が始まりました。
植民地時代は燐鉱石で得た収益をナウルの人々が受け取ることはありませんでした。
独立してはじめて燐鉱石を輸出したお金が国の収入になりました。
燐鉱石で得たお金を国民に配ることで、働かずに生活できる夢のような島となりました。
しかし燐鉱石が枯渇しはじめ、何とか他にお金を稼がないといけなくなってしまいました。


少ないページでも色々な疑問が出てくる

何度も読み返すうちに、一回読んだだけでは気づかなかったことが疑問として出てきました。
・アホウドリの糞と珊瑚の死骸で島ができるのに何年くらいかかるのか?
・糞から燐鉱石ができる仕組みはどういった原理なのか?
・第二次世界大戦中、日本軍がナウル島まで来たのはなぜなのか?
・燐鉱石は他の国でも採掘できるのか?
・産業が根づくための条件とは何か?
・植民地から独立して上手く産業が根付いた国はあるのか?

歴史以外にも様々な疑問が出てきました。
特に輸出する燐鉱石が無くなった後、ナウル共和国はうまく代わりになる産業を作れませんでした。
「お金があるだけでは産業はできない?」という疑問が生まれました。

外国と資本主義に翻弄された印象

ナウル共和国では燐鉱石が取れなくなった結果、豊かな暮らしができなくなってしまいました。
それまで働かず税金も払わない生活を送っていたナウルの人々は働き方を忘れてしまい、働くことができません。
「豊かな生活が送れるうちに次の手を打っておかなかったから悪い」と言う記事も拝見しました。
太平洋に浮かぶ小さな島に燐鉱石以外の資源がなく、自力でお金を稼げるようになるのは相当難しいと感じました。
そして自給自足で生活していた人々は植民地化し燐鉱石採掘の労働力として使われ、独立したあとは燐鉱石の輸出をして一気に豊かになりました。
自分達で産業を生み出す経験をしていません。
産業を産み出すための段階を全く踏まなかったため、燐鉱石が取れなくなっても自給自足に戻るわけにもいかず、産業もこれと言って無いという厳しい状況になってしまっています。
ナウル共和国以外にもこのような問題を抱えている国はあるのではないか?とも思いました。

最後に今回学んだこと

今回学んだことは、「普段さっと読んでしまう本でも視点を変えると気付きがある」ということでした。
あとは今まで読んできた歴史の本は「理解しやすいよ書かれている」と感じました。
今回は本にはほぼ事実しか書かれていないため、分からないところや疑問に思ったところは自分で調べることになりました。
自分なりに疑問を調べて本を読んでいくことはとても新鮮でした。
そして調べてみて、自分がどうやって調べたら良いかも分からないことに気が付きました。

まずは歴史を馴染ませるために学んでいるのですが、「疑問を自分で調べること」も慣れていきたいと思います。

 

ほとんど絵画の知識はありませんが『メトロポリンタン美術館展』に行ってきました

2022年4月9日(土)国立新美術館で開催されている『メトロポリタン展 西洋絵画の500年』を見に行ってきました。
今回は妻と二人で行きました。
自分は絵画については歴史、作品、画家などほとんど分からないという状態です。
絵画に対する興味がうすいため、絵画を見てもほんとに絵面を少しだけしか見ません。
反面、妻は絵画をじっくりと見るタイプです。
妻と一緒に行けば自分も絵画をじっくりと見ることができると考えて、一緒に行ってもらうことにしました。

met.exhn.jp

 

メトロポリタン展を見に行こうと思ったきっかけ

『メトロポリタン展 西洋絵画の500年』はタイトル通り絵画の展示です。
自分は絵画の知識がほとんど無いため、最初は見に行っても得るものは少ないと思っていました。
歴史を勉強し始めたことがきっかけで、歴史的なものを見たいと思い、以前東京国立博物館で開催されていた『イスラーム王朝とムスリムの世界』と特別展『ポンペイ』へ行きました。
その時に海外の歴史的な展示を日本で見ることができる機会はなかなか無いと分かりました。
アメリカのメトロポリタン美術館収蔵の絵画が見ることができる機会もなかなか無いと考え見に行くことにしました。
また雑誌Penでメトロポリタン美術館の特集を読んで、メトロポリタン美術館のすごさを知ったので展示を見てみたいと思いました。

 

いざメトロポリタン美術館展へ〜入場まで〜

当日朝に電車で乃木坂まで行きました。
国立新美術館は乃木坂駅から直結していてアクセスがとても便利でした。
天気も良く、天候の心配をすることがなく行くことができました。
9時40分頃、乃木坂駅に到着して国立新美術館に入りました。
以前行った東京国立博物館の二つの展示は外で待ったので今回も外で並んで時間まで待つと思っていました。
行ってみたら普通に美術館に入ることができました。
並んでいたのは美術館内の展示室の入り口の前でした。
自分も妻と一緒に並び開始の10時まで待ちました。
朝一番の回でしたが、かなりの人数が並んでいて展示の人気を感じました。

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展示全体の感想

今回の『メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年』はタイトル通り、15世紀前半から19世紀末の絵画が展示されていました。
メトロポリタン美術館の「ヨーロッパ絵画部門」の約2500点の所蔵品のうち65点が日本に来ています。
そのうち46点は日本初公開とのことでした。

展示自体はコロナ対策で予約入場になっているため、一つの絵画に対し展示が見えなくなるほどの混雑はありませんでした。
絵画と絵画の間もスペースがあり、人が固まって混雑してしまうこともほとんどありませんでした。
一時的に混んでいた絵画も少し待つと人が減りすぐに見ることができました。
どの絵画も比較的ゆったりとそして間近に展示を見ることができました。

モチーフも様々なものがありました。
宗教画、神話の一場面、人物、風景、当時の人々の様子などいろいろなモチーフの絵画が展示されていました。
時代ごとに3つのカテゴリに分けて展示がされていました。
・信仰とルネサンス
・絶対主義と啓蒙主義の時代
・革命と人々のための芸術

時代の流れによって絵画に求められるものが変化し、モチーフも変わっていくのを感じることのできる展示でした。

 

何百年前の絵画が見られることに驚く

展示を見て一番驚いたのは何百年前に描かれた絵画を実際にこの目で見ることができたことです。
展示されていた絵画はカンヴァスに描かれた油彩画がほとんどでした。
一部に板に描かれた油彩の作品や、テンペラという手法で描かれた絵画もありました。
テンペラという手法は初めて聞きました。
油彩は何百年も保つものだと今回初めて知りました。

ただ帰ってから調べてわかったのですが、油絵具自体は何百年も持つのですが、コーティングと絵の描かれている材質によっては、何百年も持たないということでした。
定期的なメンテナンスが欠かせないそうです。
何百年前の絵画を自分が見ることができるのは、後世に残そうとする努力の結果だということを感じました。

最後に

何百年までの絵画がこの目で見られることに驚きました。
今回は携帯を使用したらダメということでDynalistにメモをすることができませんでした。
その代わりに一緒に行った妻にできるだけ絵画を見て感じたことを言うようにしました。

妻の絵画をよく見るテンポに合わせて絵画を見たので、ひとつひとつの作品をじっくりみることができました。
絵の歴史的な凄さは全然わからなかったのですが見た目の上手さだけでなく、油彩の絵凹凸感やなぜこのモチーフが選ばれたのかなど、普段は考えないことを考えてながら見ることができました。

最初は絵画は興味が薄いので見に行かなく良いと思いましたが、実際に見たらいろいろと学ぶことがありました。
今後は選り好みせず絵画も歴史的なものがあれば積極的に見に行きたいと思います。

イスラームについて学ぶその2 「Pen BOOKS イスラムとは何か。」

世界史の大まかな流れを知るために本を読んでいるときにイスラームについて書かれている箇所が頭に入って来ません。
自分にイスラームの知識が無さすぎることが原因だと考えて、イスラームについて学んでみようと、まずはできる限り読みやすい本を読もうと思い図書館で本を借りてきました。
1冊目は『イスラームについて知る1 イスラーム 知の営み』
2冊目は『Pen BOOKS イスラムとは何か。』です。

今回は2冊目『Pen BOOKS イスラムとは何か。』を読んでの感想です。

写真が豊富に掲載されており理解につながった

全157ページの本ですが約190点の写真が掲載されています。
1ページあたり約1.2枚とかなり多い印象を受けました。
写真と一緒にキャプション(写真の説明)も付いており、何についての写真かがわかりやすくなっています。
自分のようなイスラームについてほとんど知識がない人間でも文章と写真を関連付けて読むことができました。
今回、写真と一緒に見ることで具体的に知ることができたことが沢山ありました。
例えば聖地メッカの巡礼です。
ムスリムなら一生に一度メッカへ巡礼する「ハッジ」という義務があります。
掲載されている写真をみると本当にたくさんの人がメッカのハラム・モスクに集まっています。
聖地巡礼という言葉だけ聞いても具体的にどれだけの人が集まるかはわかりません。
今回写真と一緒に見ることでどれだけの人が巡礼をするのか実感することができました。
歴史を学ぶ時に本に書かれている文章だけでなく、写真やモノ、場所など、いろいろな情報を確認して理解することが大切だと感じました。

 

写真を見て感じるイスラームの建築の凄さ

イスラームの代表的なモスクについて紹介されています。
掲載されている写真をみてそれぞれのモスクの規模、建築、装飾など、凄さが素人の自分でも感じることができました。
イスラームでは偶像崇拝が禁止されていて人や動物が描けないため、特に装飾の技術が発達しました。
装飾がモスクにもふんだんに使われており、イスラーム建築の特徴となっています。
特に印象的だったのは、トルコの首都イスタンブールにある「スレイマニェ・モスク」です。
以前Podcast『コテンラジオ』のオスマン帝国のコンスタンティノープル陥落の回で陥落後にキリスト教の教会を改修してモスクにしたというのを聞きました。
聞いただけだったことが写真を見たことで本当に歴史上あったことなのだと実感することができました。
1923年にトルコ共和国が成立した際に、博物館となり隠されていた教会時代のステンドグラスなどが洗い出され、イスラームとキリスト教が融和した姿になっています。

 

現在のムスリムの生活について知る

「現地ムスリムの、知らざれる日常に密着!」というコーナーがあり、サウジアラビア、トルコ、パキスタンという3つの国のムスリムの方の生活が紹介されています。
同じイスラームの教えを元に生活している人でも国によってかなり生活が違うことが見ることができました。
世界にはいろいろな国があります。
国によって人々の生活がそれぞれ違うのは当たり前という認識があります。
しかし自分の中でイスラームについての知識が少ないため「イスラーム=ひとつで同じ」として認識しがちです。
同じイスラームでも「国によって違う」という、当たり前のことを自分の中で再確認できました。

 

日本にもあるモスクの紹介

日本にあるモスクとして東京渋谷区にある「東京ジャーミィ」と兵庫県神戸市にある「神戸ムスリムモスク」が写真付きで紹介されていました。
日本にもモスクがあったとは全く知らなかったので驚きました。
日本にも外国人を中心として数万人のムスリムがいて、大小あわせて60以上のモスクがあるそうです。
「東京ジャーミィ」はトルコ系ムスリムの方が中心になって建築したので伝統的な「オスマン様式」の建築。
「神戸ムスリムモスク」は関西在住のムスリムの方が中心となり建築したので各国のイスラーム建築の要素が織り交ぜられているそうです。
同じ日本のモスクでも様式の違いがあることが興味深いと思いました。

最後に

イスラームについて学ぶ入り口と考えて2冊本を読みました。
2冊で理解できるとはとは考えていませんでしたが、考えていたよりかなり奥深い印象で、本当に入り口の入り口の表面しか触れていない印象を受けました。

「現地ムスリムの、知らざれる日常に密着!」家族を大切に思うところや、子供たちのこれからのことを心配しつつも見守るということなど、自分と信じる宗教は違っても、日々を生きる人間として同じこともあるということに改めて気付かされました。

また普段生活しているとイスラームについてなかなか情報が入ってこないので、自分が触れている情報には「偏りがある」ということも改めて考えさせられました。

これからも歴史を学ぶ上で、少しずつイスラームについて学んでいきたいと思います。