3畳まなびスペース

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『イスラーム 知の営み』イスラームについて知りたい

歴史を勉強していると自分が知らないことが沢山あることに気付かされます。
その中の一つにイスラームがあります。
歴史のおおよその流れを勉強しているのですが、イスラームが最盛期の時代のことを読んでもなかなか頭に入ってきません。
イスラームについては普段から接することがほとんどありません。
基本的な知識が足りないため頭に入らないのではと考えて、イスラームについて知りたいと考えました。

 

イスラームについて学ぶために選んだ本

今回イスラームを学ぶために図書館で選んだ本は2冊です。
1冊目は『イスラームについて知る1 イスラーム 知の営み』
2冊目は『Pen BOOKS イスラムとは何か。』です。

 

図書館でイスラームの全体的な歴史について書かれている本を借りようと思って探してみたら宗教の棚で見つけました。
普段は歴史の棚ばかりを見ているので、宗教の棚をしっかりと見るのは初めてでした。
宗教にある本もいろいろと興味深い本が沢山ありました。
分厚い本を選ぶと情報量が多く読みきれないと思い、できるだけページ数が少ない本を選びました。
また写真がたくさん載っていた方がイメージしやすさにつながると考えました。
特にPen BOOKSは写真がたくさん載っているので選びました。
今回1冊目の『イスラームについて知る1 イスラーム 知の営み』を読み終えて学んだことを記事にしようと思いました。

隣人もイスラーム?世界の4人に1人がムスリム

現在ムスリムは推定ですが18億人を越えているとのことです。
世界人口の約25%とのことで4人に1人がムスリムということなります。
自分が日々生活していてイスラームに触れる機会はほとんどありません。
自分が知らないだけで身近にムスリムの方がいるのかもしれないと思いました。
ちなみに世界最多の教徒数のキリスト教は約23億人。
およそ3人に1人がキリスト教徒ということになります。
ムスリムは現在も増え続けており、何年後かにはキリスト教を抜き世界最多の宗教となることが確実と言われています。

ムスリムになるには特別な儀式や手続きはいらない

イスラームへ改宗するには二人以上のムスリムを証人として決められた文言を言えばムスリムになれます。

別の宗派に改宗しようと思ったら、いろいろな儀式や複雑な手続きが必要という印象を持っておりイスラームに対しても同様に思っていました。
この敷居の低さがムスリムが増えているひとつの要因かとも思いました。
ムスリムになったら六信五行の教えを元に生活をしていくこととなります。
六信は神、天使、啓典、預言者、来世、予定の六つ。
五行は信仰告白、礼拝、喜捨、断食、メッカ巡礼の5つです。
ムスリムといえば礼拝(サラート)のイメージが強いですが、夜明け、正午、午後、日没、夜半の5回行います。
朝に弱い自分の感覚では夜明けの礼拝は大変と思ってしまいますが、大丈夫なのでしょうか?
何かしらの生活の工夫があるのかも知れません。
そしてどうしても礼拝ができなかった時などはどうするんだろうと疑問に思ったりもしました。

ラマダーンは断食ではない
よくニュースでムスリムがラマダーンに断食をおこなっていると聞くことがあります。
なのでラマダーン=断食と思っていました。
しかしそれは間違っており断食はサウムというらしいです。
ラマダーンはイスラム暦の第9月のこと。
ラマダン月の1ヶ月間、夜明けから日没まで断食を行うため勘違いしやすいです。
また1ヶ月も断食するなんて出来るのかと思っていました。
1ヶ月間、完全に断食するのではなく日没後の飲食は自由とのことです。
基本的に大人が行い、病人、妊婦、こども、旅人などは延期しても良いとのことです。

神の啓示は一度ではなく複数回だった

西暦610年頃に当時商人だったムハンマドが神の啓示を受けたことで誕生しました。
その時に一度に神の啓示を受けたのではなく、その後も断続的に神の啓示を受けたとのことです。
歴史の授業でムハンマドが神の啓示を受けてイスラームが始まったことは聞いていましたが、一回だけだと思っていました。
ムハンマドが啓示を受けた神の言葉が書かれているのが今のクルーアンです。
クルーアン以外にもムハンマド自身の言葉を集めたハディースもあります。
ハディースもイスラームにとっては重要な書として位置づけられています。

翻訳されたクルーアンはクルーアンではない

クルーアンはムハンマドを通して語られた神の言葉です。
第3代正統カリフのウスマーン(644〜656年)の時代に書物としてまとめられたとのことです。
それまでは記憶に頼っていましたが、急速にイスラームの教えが拡大すると細かな違いが出てきてしまったため、まとめることになったそうです。
クルーアンはアラビア語で書かれており、アラビア語を母国語としていない地域のムスリムもアラビア語で読むことをならいます。
翻訳はいろいろな言語でされており日本語でもされています。
しかしアラビア語以外で翻訳されたクルーアンは、クルーアンそのものではなく、注釈書、もしくは解説書という位置付けとのことです。

最後に

イスラームについて知りたいと思い勉強しましたが予想よりずっと深いと感じました。
表の言葉だけ理解したように思いましたが本当に理解できたところは少ないと感じています。
特に自分には今でも神の教えが密接に生活に溶け込んでいるイスラームを実感することが難しいと感じました。

歴史の面ではイスラームの成り立ちから、各王朝の勃興、近代から現代のイスラムの変革など流れを大まかに読むことができました。
特にフランスのナポレオンの強さに衝撃をうけてイスラーム世界が揺らぎ、変革を目指すようになったことなど興味深いと思いました。

イスラームについて全く知らないと思って実際に本を1冊読んでみて、イスラームだけでなく少しは身近なはずの仏教、世界最大のキリスト教もよく知らないことを気付きました。

2冊目の『Pen BOOKS イスラムとは何か。』も読んでみてイスラームについて引き続き学びたいと思います。