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【刻読3冊目】『すいません、ほぼ日の経営』会社の経営にこうであるというカタチは無い

 


自分は「ほぼ日」のファンです。毎年ほぼ日手帳とカレンダーを楽しみに購入しています。また「ほぼ日刊イトイ新聞」で公開されるコンテンツを読んでいます。
おもしろいコンテンツや商品を生み出す「ほぼ日」が実際どういう会社なのか、どういう方法で運営されているのか興味がありました。

この本はよくある経営について書かれた本とは違います。聞き手の川島蓉子さんが社長である糸井重里さんにインタビューをして語られた言葉が一冊の本になっています。

ほぼ日刊イトイ新聞』のコンテンツ上でたびたび糸井さんが会社に対する考えや思いが語られていました。それが改めて一冊の本にまとまっています。
読んでみるとよくある経営本としてまとめられて整理されている文章ではありません。インタビューのため、大きなテーマの中で質問に答えるために、いろいろな例え話、エピソードで説明されています。逆にそれが語るコトバが嘘ではなく「本当の事を話している」と感じます。

本の簡単な紹介

題名『すいません、ほぼ日の経営。』
聞き手 川島蓉子
語り手 糸井重里
発行 日経BP
初版 2018年10月22日

構成は全5章になっています。

・第一章 ほぼ日と事業
・第二章 ほぼ日と人
・第三章 ほぼ日と組織
・第四章 ほぼ日と上場
・第五章 ほぼ日と社長

印象に残った箇所

 ・「心」が宿っていると感じるのは、人の「心」がそこで動いているつまりアイデアになっているからです。

・「こうだったらいいのになぁ」ではダメで、じぶんたちのやり方でやってみること。つまり行動しなければならないんです。

・ここにいる限り、いいアイデアが採用されて、いいアイデアを出さないとダメじゃないかと言われるような会社をつくりたかっただけなんです。

・どうしたら「顧客の創造」ができるのかを考えて、「人々がよろこんでくれるものを新しく生み出す」というふうに言い換えられると思いました。

・いま、ぼくの思う社長の役割は、社長がいなくても大丈夫なようにするにはどうするか考えることです。

ほぼ日=アイデア集団

ほぼ日刊イトイ新聞』をみているとすごくアットホームで和気あいあいとした会社だと思っていました。しかし顧客の創造のために常にアイデアを出し、実現していく「アイデア集団」だということがわかりました。

また糸井さんのアイデアをふくらませて実現していく会社だと思っていましたが違っていました。

ひとりひとりがアイデアを出し、仲間と一緒に大きくして実現していく。それをひとりひとりが責任をもって常に回している会社という印象をうけました。


働いていると、「人の考えに乗っかるだけ」、「自分は考えを出さない」などたくさん出会います。もっとひとりひとりが考えを出していればもっと良くなるのにと思うことが沢山あります。

ただ会社によっては考えを出しても否定されることもあります。自分も「勝手なことをするな」と言われたこと何回かあります。そうなると発言をするのがバカらしくなります。自分の考えが否定されないという環境がとても大切です。ほぼ日ではそれがつくられていると感じました。

「心」をわすれない会社

手帳の箇所で書かれていましたが、商品にやどる「心」を大切にしています。「心」=「アイデア」。アイデアがある商品はお客に伝わるとの考えです。

自分もほぼ日手帳とホワイトボードカレンダーを毎年買っています。ホワイトボードカレンダーは販売された時にすごいアイデアだと思いました。年々改良される機能や、絵柄など、アイデアとしては完成された商品です。普通ならば「毎年同じでいいや」と思ってもおかしくありません。そういう姿勢から商品に対する丁寧さが伝わってきます。
会社で働いていると「心」は無視されることが多いです。みんな大切とわかっているけど「心」を無視し、歯車であれと言われ働いていることが多いです。
しかしそのような状態だと、力が発揮できず長続きもしないです。
心を大切と捉えてそれを仕事中も片隅に置いておけるほぼ日のよう会社は素晴らしいと思いました。また取り入れていかなくてはいけないと感じています。

終わりに

本を読み終わった時、一般の会社と組織体制や運営の考え方が違うことが多く「このような考えてやっていけるの?」と正直思いました。ただ実際「ほぼ日」という会社が存在するので可能ということです。その事実にとても混乱しました。
しかしそれは自分が約20年働いている中で刷り込まれた会社に対する印象とあまりに違っているから拒絶反応をおこしたのです。

働いていうちに自分のなかで「会社はこうであるべきだ」というイメージを作り上げてました。
『すいません、ほぼ日の経営』を読んで「会社はもっと自由で良いのでは?」と考えるようになりました。